medialandscapebeyondvoidmetabolism

こんばんは。
g86のメンバーで東工大の塚本研究室に在籍している山道拓人です。
g86としてのブログがあるけれど、誤解を恐れず思考途中のこともどんどんアウトプットするために新しくブログを作りました笑。
四月から塚本研究室に配属されて、環境ががらりと変わりました。
「ウ゛ォイドメタボリズムに向けて」というテーマでゼミが始まり、1960年代のメタボリズムを再読して2010年版メタボリズムの提唱を目指すというもの。
これが完全に面白い。
SD2007に掲載されている塚本先生の“ウ゛ォイドメタボリズム試論”を読み直し、個人的に今のメディアの状況とも共振していると漠然と感じはじめた。
戦後の復興のあと、1960年代に登場したコアを持つ英雄的メタボリズムが「コア・メタボリズム」だと述べられていて、しかし、高度経済成長を通して現実の都市空間を覆ったのは戸建て住宅の海であり、それらが粒毎に新陳代謝する様を「ウ゛ォイド・メタボリズム」と名付けている。そしてウ゛ォイド・メタボリズムではコアの代わりに建物の間にウ゛ォイド(隙間)が生まれ、個々の住宅の更新は、隣の建物との間につくられるウ゛ォイドとの関係において、位置づけられることになる、とある。
さらに「コアの場合はそれに取り付くユニットをどんなに取り替えても、変形してもコアの形態や意味は変わらないが、ウ゛ォイドの場合は、それに接するユニットの入れ替えや変形が、ウ゛ォイド自体の形態や意味を変え、新しい意味を見いだされたウ゛ォイドはそれを規定する建築を変えてしまう」と続く。
新聞のテレビ欄を見てると、数十年変わらない垂直の紙面のレイアウトもそうだし、テレビ局と制作会社の関係とか、コンテンツのあり方含めて全部がものすごくコア・メタボリズム的に見えてくる。それに対してコンテンツの隣接関係で容易く位置づけが変わってしまうyoutube等ネットメディアを見てるとその水平に広がる平らな世界がものすごくウ゛ォイド・メタボリズムに見えてくる。しかもネットメディアはそのシステム自体も更新するし、競合も次々に登場するし、コンテンツとシステムというのが同じレベルで消費されている状態があって、その特殊な位相関係にヒントがあるんじゃないかなと思う。
コア・メタボリズムとテレビ欄の垂直性

ヴォイド・メタボリズムyoutube操作画面の水平性