Pattern Language of Shoppingcenter?

現在私が行っているリサーチのごく一部をブログ用にアレンジしたものをアップしてみます。
気楽に見てください笑。
膨大な数の商業施設を眺めるといくつか特徴的な建築言語が見られる。それらは近代建築以前から存在した建築言語もあれば、商業建築独自の建築言語もある。ディベロッパーの空間論理(二核モール型etc)を一旦停止させて、建築の言語レベルで現象のように見ることで規模や地域を横断してそれぞれの空間の位置づけなどを観察できるのではないか。
Pattern Language of Shoppingcenter?
Atrium-長いモールの途中に休憩地点として現れる。舞台や垂直動線と一緒になって劇的な“見せ場”となる。
Object-エントランス上部に現れる。ホール、換気塔等、大きな容積を必要とする空間をオブジェとして変換。
Contour-吹き抜け部、舞台に向かって現れる。日当りや風の通りを考慮して段々状の半外部空間。
Steelframe-予算が限られた時に現れる。オープンモール型や倉庫売り場一体型に多く見られ、設備等もむきだしとなる。
Void+Escalator-駅に近いタワー型施設に現れる。垂直動線が複雑に絡むこともあり、垂直の中庭と言われる。
Arcade-地域軸と連続した動線やモール部に現れる。同じ断面が連続し軸性を強める。
Virtual Sky-クローズドモールに現れる。昼間、夕焼け、夜景などを実際の時間とは関係なく演出される。
Transparent Body-エントランス部に現れる。大きな幾何学が透明に立ち上がり、特に機能は無い。象徴性。
Copy-気候がいい地域のオープンモールに現れる。“南仏風”などのコンセプトをそのまま建築形式に置き換える歴史主義。
Bridge-建物が離れてしまうが既存動線が強い場合に現れる。空中の廊下。東京、横浜等積層型商業施設によく見られる。
Tree-気候がいい地域のオープンモールに現れる。ヤシの木などがよく用いられる。イオンなどでは地域の人と苗木を植える。
Stairs-エントランス部に大階段として現れる。エントランス全面に広場がくる時に、ショーを眺めるための観客席となる。
Commercial Tower-核店舗上部などによく現れる。イオンにおける“Jusco”のサインなど。





・ショッピングセンターにおける“きめ”と“なり”
ショッピングセンターを設計する時に、予算や土地の条件、計画手法(不可視のレイヤー)からある程度、
空間構成が最初に決まってしまう部分がある。(例:二核モール型)
ショッピングセンターの意匠においては、注力されるのは人が歩く部分であり、多様な建築言語を用いて形作られて行く。実際には、自由にデザインされる部分の全体に対する割合は非常小さなものである。
しかし、核店舗やそれぞれの店舗の内部空間スラブ積層、グリッド柱というような抽象空間となっているため、建築言語が全体のイメージを作ってしまい、メディアでも見せ場の写真やキャッチコピーが流通する(可視のレイヤー)。そこで特徴的な建築言語を捉えることで、様々な力学の重なり合いが“読める”ようになる。これを可視/不可視のレイヤーを架橋するアルゴリズムとして扱うことができるかもしれないという予感がある。